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響震

Ⅰ 交錯
知ってる顔のない、スクランブル交差点の雑踏のなかで、
草臥れた青年が大きな口を開け、
蚊の羽音のような幽かな声で哭いていた。

細いピアノ線のような声、
  もちろん誰にも聞こえない。

交差点の雑踏の中、
彼の声は孤独になる。
雑踏が消え、信号は青くなる。

彼の細い繊細な哭き声は、クラクションに塗りつぶされた。
草臥れた青年は、草臥れた笑顔で周りに答えると、
座り込んだ。
交差点の中心で。

そこは異化の中心。
青年は冒険しているのだ。
誰もが嘲笑する愚かな非日常を。

一瞬。
ほんの瞬き程度の時間、
全ての音が止んだ。

誰も気付かない様な静寂の間に
青年は確かに耳にした。
無垢な子供たちが、どこのかの教会で、

意味も知らぬまま賛美歌を歌っていた。

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つぶやきちゃん

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