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73:ちょっと疑問 by リンク on 2014/05/15 at 20:38:24 (コメント編集)

1と2を読んで疑問に思ったのですが、
なぜ、箱庭1ではイレギュラーであるアニキを
エトスとクレイは始末しなかったのでしょう?
セクレタリーとエステルは確実にイレギュラー
とみなしていたのに。
エトスたちも2でティチェたちを始末しようと
したのにはどういう違いがあるのですか?

箱庭物語2裏 その2 非常識な携帯電話

箱庭物語2裏 続きです。
続きと言っても、時間軸的には、すこしバックしていますが。

あまり長く書くと、掲載遅くなっちゃうし、
とりあえず、細切れでもいいからコンスタントに書いていきたいな。

その2 非常識な携帯電話

<再臨まで、残り1時間・・・ と10分>

「ジリリリリリリリリ!」と、
 可愛らしい、おもちゃのような目覚まし時計が鳴る。
 ベッドから、少女の細い腕が伸びて、目覚ましを止めた。
 他の管理者よりも、10分ほど速い目覚めだった。
 
 管理者No.7である、ナズキが目を覚ます。
 全裸の体をおもいきり縦にのばして伸びをし、
 鏡に向かって不敵な笑みを浮かべた。
 部屋の隅のタンスへ向かい、中からふりふりの、少女好みの服を取り出し、
 着替を行った。
 細身の、10代中盤の女性のような外見をしていた。
 派手ではない、上品な金髪のロングヘアーが、
 ナズキの動作に伴ってサラサラと揺れていた。

 着替えを終えると、壁掛け鏡に向かって、
 不敵な笑みを浮かべた。
 そして、ポケットからチケットブックのようなモノを取り出し、
 一枚ちぎり、その半券を切り取った。
 すると、ナズキの体は手足の末端から半透明になり、
 最後には消えてしまった。

<再臨まで、残り1時間>

 No.5、フィリアの部屋。
 フィリアは千年眠り続けた重い瞼を持ち上げ、
 目を覚ました。
 色白の肌に触れる空気は冷たい。
 ベッドから降り、静かに目をつぶり、深くため息をついた。
「とうとう・・・この時が来てしまったか」と、
 フィリアは少し不安気につぶやいた。
 彼は眠りに付く前に、「不必要な人間の削除」に対して迷っていた。
 しかし、彼も管理者に抜擢され、精製された管理者だった。
 管理者であるのに、精神的には完全に管理者になりきれない自分の存在に、
 朧げな憤りを感じていた。

 すると、フィリアの目の前の空間が少しだけ歪み・・・
 次元の隙間から、ナズキがヌルヌルと出現した。
 ナズキの転送魔法だった。
「ナズキか・・・」と、フィリアは言った。
「いやん。やめてよ。股間くらい隠しなさいよ。下品ね」と、
 ナズキは棒読みでフィリアに言った。
「気にするな。別に減るもんでもない」
「まぁね。増えるものでもないしね」と、ナズキは意に介さず答えた。
 そのままフィリアはナズキを気にすることなく、
 タンスへと向かい、着替えを始めた。
「まだ迷ってるんでしょ?」
「あぁ・・・、千年眠っても答えは出なかった」と、
 フィリアは下シャツを着ながら、答えた。
「そりゃあ出ないでしょうねぇ」
「千年間、中途半端な悪夢を見ていた気分だ」と、
 フィリアは、上着と、マントを身につけた。
「なにやってるのよ。マントまで着ておいて、
 まだ下はフルチンじゃない。
 こういう時は、普通下から隠すものじゃないの?」
「気にするな。俺達は管理者じゃないか。
 生殖も排泄も無い。性欲も性器も、タダの飾りだ」と、
 フィリアは静かに答えた。
「やーねー。たとえ管理者って存在だとしても、
 まったく感情が無いわけじゃないのよ。
 あなたももっと素直に行きたらいいじゃない」と、
 ナズキはからかうように言った。
 フィリアは無言で、ズボンを履いた。
「パンツ履き忘れてるわよ」

 着替えを終えたフィリアはナズキの方を向き、
「何のために、この部屋へ来た?」ときいた。
 ナズキは再び、不敵な笑みを浮かべて答えた。
「貴方に良い物を渡しにきたの。はい!」
 と、ナズキはフィリアに携帯電話を渡した。
「なんだこれは? たしか、携帯電話だったか?」
「携帯電話よ。大切に使ってね。一回しか使えないように設定してあるの。
 ここぞという時以外、使わないでね」
「たしかこれは・・・、
 『前の世界』で普及していたアイテムだよな。
 どうして前の世界のアイテムを、この世界に持ち込めたんだ?」
「ふふふ。非常識だからよ」
 ナズキがそう言うと、フィリアは携帯電話の電話帳を確認した。
 電話帳の中には、「ナズキちゃん☆」という件名で、
 1件しか登録されていなかった。すると、ナズキはポケットから
 もう一つ、携帯電話を取り出して、にやりと笑った。
「あなたの携帯電話は、私の携帯にしか繋がらない。
 しかも、たった一度しか使えないの」
「なるほど。しかし、何のために、こんなものを俺に渡す?」
 とフィリアが質問した。

 一拍の静寂を挟んだ後、ナズキが不敵に微笑みながら、
 話を始めた。
「貴方にだけ、教えてあげる。
 私と、No.8と、No.9は、管理者の職務を放棄して、
 削除されるエリアから、数人の人間をランダムに選び出し、
 手駒として育て上げるつもりよ。
 不要なエリア削除に抗う人間の戦士としてね」
 それを聞いて、フィリアは少し驚いたような顔をしたが、
 直ぐに平静を装った。ナズキは続ける。
「おそらく、この排除されるエリアで、人間達と管理者達の、
 対立が起こるわ。というより、私達が起こすんだけどね。
 そんな中、貴方はきっと、迷うと思うの。
 どちらの味方に付くべきかではなく、己自信の、
 存在意義について、悩む時がくるでしょう。
 そんな中、私の助けが必要となった時は、この電話で連絡してね」
 フィリアは暫く目を閉じて、頭のなかで考えを巡らせた後、
 答えた。
「なぜ、俺に『管理者を裏切る』ことを話す?
 俺が他の管理者に報告すれば、オマエの作戦自体が台無しになるだろ」
「貴方は報告しないわ。私にはわかるの。
 超能力でもなんでもないわよ。
 貴方は、管理者の中でも、人間を削除することに疑問を持っている。
 貴方は、決して私達の計画を止めはしないわ。
 私がホショーしましょう」と、ナズキが得意気に言った。
 フィリアは返事はしなかった。ナズキの言葉に対して、
 明確な否定も肯定も出来なかったからだ。
 だた、考えだけが、頭のなかでぐるぐる渦巻いていた。

「それじゃ、そろそろ私は部屋に戻るわね」と、ナズキが言った。
「おまえは、転送室には来ないのか?」
「私は出撃メンバーじゃないからね。
 転送装置は私の魔力を使って動くみたいだけど・・・、
 別に、私が転送室に行く必要はないものね」と、
 ナズキは笑いながら言うと、
 スカートのポケットからチケットブックを取り出して、
 一枚引きちぎった。そして、
 空間を曲げて、どこかへ消え去ってしまった。
 おそらく自室に戻ったのだろう・・・か?

 フィリアは、暫く悩んだ。
 自分の存在意義と、自分が何について迷っているのか。
 考えても答えは出ない。
 答えは出ないが、出撃の時間は近づく・・・。

<再臨まで、残り20分>

 ・・・。
 フィリアは、ナズキから受け取った携帯電話を、
 胸ポケットに隠し、
 部屋を出た。
 迷いのこもった足取りで、
 転送室へ向かった。
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73:ちょっと疑問 by リンク on 2014/05/15 at 20:38:24 (コメント編集)

1と2を読んで疑問に思ったのですが、
なぜ、箱庭1ではイレギュラーであるアニキを
エトスとクレイは始末しなかったのでしょう?
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