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箱庭物語2裏 その1 目覚めとカウントダウン

5月7日(水)更新

箱庭物語2の裏側を描いてみます。
ネット小説とか、あまり書いたこと無いし、
片手間なので、ご愛嬌☆

箱庭2をプレイ済みの方が楽しめるかと思いますが、
できるだけ初見にも伝わるように・・・。



その1 目覚めとカウントダウン


<再臨まで、残り1時間>

 冷たい静寂が包み込む部屋の中、青年は目を覚ました。
 裸のまま、ベッドで眠っていたらしい。
「千年・・・か」とつぶやくと、隅のタンスへ向かった。
 床は無機質で冷たい。
 青年の素足に冷たさが伝わる。
 タンスの中から服を取り出す。
 下着、上着、靴、ベルト、そして一本の剣。
 黒の長髪と、褐色の肌。深い赤色をしたマント。
 身長185センチほどもある青年は、
 マントのシルエットと相まって、かなり大きく見える。

<再臨まで、残り50分>

 準備が整ったのか、青年は部屋の外へ出た。
 廊下は薄暗く、冷たい。青年以外、誰も居なかった。
 冷たい静寂に包まれている。薄暗い。
 端は薄暗さに霞んで、見えない。

 青年は、自室の扉の前で待機した。
 扉には、大きく赤い文字で、「No.4」とあった。
 時計の音すら聞こえない静けさの中、目を閉じて待っていた。

<再臨まで、残り40分>

 しばらくすると、隣から扉の開く音がした。
 No.3の扉が開き、中から朱色の和服を着た女性が、
 眠たそうに目をこすりながら出てきた。
 眠たそうに乾いたあくびをする。

「おはよう」と、沈むような、深い、寂しい声で挨拶をする。
「おはようさん」女性は、軽い挨拶を返す。
「どこにいけばいいんだっけ? 
 大昔…、寝る前に教えてもらったような気がするが、
 わすれた」と女性。
「確か・・・、No.1の部屋の方向だ。
 ホールを抜けた先の管理者転送室ってところに向かえばいいんだ。」
「了解!
 ところで、あんたは確か、クレイだったかな?」
「あぁ、クレイだ。
 そういうあんたは、ミールスミール」
「よくあたいの名前覚えてたな!
 結構忘れられそうな名前だと思ってたんだがな!」と、
 ミールスミールは笑いながら答えた。

 クレイの背後、No.6の扉が開く音が聞こえた。
 中からは、青いローブ、青い羽根付き帽子をかぶった、
 小柄な少年が、軽い足音を立てながら出てきた。
「おはよう」と、少年が笑顔で挨拶を送る。
 ミールスミールとクレイは、先と同様の挨拶を返す。
「僕はエトス。よろしくね」と少年は自己紹介する。
 しかし、二人共少年の名前がエトスであることは覚えていた。
 エトスは首筋を軽く掻きながら、
「千年も眠っちゃったんだもんだから、
 だいぶ記憶も曖昧になってるかもね」と言った。

 クレイ達は千年間、眠っていた。
 今日は目覚めの日。
 彼らが目を覚まし、仕事を始める日だ。
「眠りすぎて節々がいてぇ」と、ミールスミールが言った。
「ここで皆が準備を終えるまで待つのも面倒だし、
 先に転送室にいってようか。
 もしかしたら、僕達より先に準備を終えた『管理者』が、
 既に転送室で待ってるかもしれないし」と、エトス。

 管理者・・・。
 管理者とは、世界を「管理」するために、産まれた存在。
 千年続いた石の眠りから目覚めた彼らは、
 それぞれ与えられた役割を果たすため、各々の担当エリアへ向かう。
「転送室」とは、彼らを担当エリアへ
 瞬時に移動させる装置が設置された部屋だった。

<再臨まで、残り30分>


 エトス達がホールを抜け、管理者転送室に向かうと、
 そこには先に目覚めたNo.2の姿があった。
 どうやら、転送装置の調整をしているらしい。
 エトス、クレイ、ミールスミール、
 そしてNo.2以外に誰も居なかった。
 部屋には大きな石版上の転送装置が5つ設置されていた。

「やぁ、準備が整ったのですね」と、
 No.2は立ち上がり、三人へ、細い目でにっこりと、
 やさしい声でほほ笑みかけた。
 男性型の管理者・・・身長は175センチ程度だろうか。
 研究職、又は神職を連想させる、
 ゆったりとした緑色のローブを着ていた。
 顔立ちは、細い目と端正な顔立ちで、
 落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「私の名前は・・・、覚えているかわかりませんが・・・
 プランケットです。
 転送装置の調整をしていたのですよ。
 だれも触れなかったとはいえ、最後に調整したのは、
 千年も昔のことですからね」というと、
 プランケットは再び転送装置に向かい、
 複雑な機械仕掛の石版を弄り始めた。
「たしか、転送装置で『再臨』する管理者は5人だったよな。
 アタシと、エトスと、クレイと・・・、
 あとはだれだったかな?」とミールスミールがダラっと言う。
「わたしも出撃メンバーの1人ですね。」とプランケット。
「後1人はだれだ?」
 ミールスミールがプランケットに質問すると、
 横にいたエトスが答える。
「No.5のフィリアだよ。
 なにしてるんだろうね?
 もうそろそろ、目覚めから40分になるよ」
「トイレで気張ってるんじゃないか?」と、
 ミールスミールがヘラヘラ言った。
「いや、僕たち、トイレ行かないでしょ」と、エトス。
「そうだったな。セクハラ発言失礼」

<再臨まで、残り20分>

「よし、とりあえず転送装置の電源を入れてみましょう」
 と、プランケットは石版の中心に埋め込まれている、
 青い水晶球に手をかざした。
 すると、ぼんやりとした光が水晶球から放たれた。
「よし、No.7の魔力には呼応していますね」とプランケットが言った。
 転送装置自体は魔導機器であり、
 装置発動に必要な魔力はNo.7という管理者から供給を受け、
 発動するらしい。
「機械のことは良くわからねぇや。
 ところで、出撃しないメンバーはなにしてるんだ?
 この転送室には来ないつもりなのかな?」と、ミールスミール。
「どうなんだろうね。
 べつに彼らは、目覚めてもこの部屋に来る義務もないしね」
 と、エトスが答えた。
「まぁ、来る必要がないなら、来なくても問題ないだろ」
 と、クレイも続いた。
 再臨まで残り10分になろうとしていた。
 No.5のフィリアは、本来ならば、
 既に転送室で待機していなければならない時間だった・・・

 暇を持て余したエトスは、
 自分の髪をくるくる捻って遊んでいた。

<再臨まで、残り10分>
 転送室の扉が開き、フィリアが入ってきた。
「おそかったな」と、クレイがつぶやく。
「すまん。少し考え事をしていたんだ」と、フィリアが返した。
 赤髪の元気な少年のような姿をした、
 寡黙な管理者フィリアは、他の管理者とあまり目を合わせず、
 転送装置の前に立った。
「俺は、このエリア担当だったかな?
 とにかく・・・。
 さっさと終わらせよう」と、フィリアは何かを押し殺すかのように
 つぶやいた。
「あぁ! さっさと終わらせて、
 もう一眠りいきてぇや」と、元気よくミールスミールが答える。

<再臨まで、残り3分>

エトスが、再臨における管理者の役割について説明を始めた。
「僕達は、人間の生活するエリアがちょうど1000年を迎える時間に、
 再臨する。
 僕達が再臨するエリアは、箱が『不必要』と判断したエリアだ。
 僕達は、人間を殺して、人間の概念値を減らし、
 世界を掃除しなければならない。
 おっけー?」
「おっけー」と、ミールスミールが気のない返事をする。
 続けて、プランケットが補足した。
「我々管理者が再臨すると同時に、
 『削除人』というユニットと、
 負の概念を具現化した『魔物』が展開されます。
 とりあえず、われわれの部下として、削除人も魔物も使ってください。
 抵抗する人間も居るでしょうけれども、
 まぁ、我々ならば負けないでしょう。
 人間の力量ならば、削除人にすら刃が立ちません。」
「削除が終わったらどうすればいいんだ?」と、ミールスミールが聞く。
「転送装置には、3時間後自動的に管理者を、この転送室に戻すように
 プログラムがされています。
 ですから、3時間以内に人間の削除を済ませておいてください。
 三時間後に報告会です。」とプランケットが答えた。
「他の管理者、結局顔を出さなかったな」と、クレイがつぶやいた。
「まぁ、半分以上は顔も覚えてないがな!」
 と、ミールスミールが笑い飛ばす。

<再臨まで、残り一分>

「さぁ、いよいよ時間だよ。
 今頃、人間達は自分たちが『救われる』と信じ、
 張り裂けんばかりの高揚感に浸っているだろう。
 われわれはそれを淡々と、粛々と削除していけばいいんだ」
 と、エトスが言った。
 フィリアは無言で、下を見ていた。
 クレイは静かに上を見ていた。
 プランケットは何も反応しなかった。
 ミールスミールは、耳をほじっていた。


 そして、人間の生活するエリアで、
 1000年の時が経過した。

 人々は歓喜の声をあげる。
 世界は振動する。
 再臨を告げる振動。
 
 転送装置は光を放ち、
 削除人、魔物、
 そして管理者の5人が送られた。

 『再臨』が始まった。 



つづきまくれ
1話終わり
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